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IbaraHistory
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《Side:Hazama》
本当に来てくれたのが、嬉しかった。

けれども。もう。全部。隠すのは止めた。

隠したまま、墓まで持っていくべきだったのかもしれないね。



あの断罪者は"正しかった"のかな

僕はそうは思えないけども
少なくとも、僕が危険で、故に消される……消すというならば。
それはそうなんだろうなとは思うから。

危険だからで捨てたらきりがないというなれば。
少なくとも、僕はこの世界に必要とされない存在だろう。
とりたてて消す必要がなくとも消えないようにする必要もない、そんな。必要悪ですらないもの。

まあ突き詰めれば。必要ないもののほうがありふれすぎているから、
自分が必要ない存在だとされたくないから、人は様々なものを含めた必要性をうたうのかもしれない
自分が不要だと切り捨てられ、廃棄され、朽ちること。
無意識に、無自覚に、それを避けようとそうしているのだろう。

でも、"誰か"が僕の側にやって来て「ひとりじゃないよ」だなんていったら
寄り添おうとしてきたら、仲間にいれようとしてきたら。
僕はそれが一番嫌だから。ふざけるなと、腹をたてたくなるから。

僕の側にいていい人は、限られてるんだから。
僕を愛していい人と僕が認める人は。僕が愛していいと認める人は。
睨まれるんだろうな。こういう考えをもつのって。表に出すのって。
僕がそれでいいっていっても、周りはよくないっていうろうな

多くは持てない、持ってはいられない。
この手に余る。こぼれ落ちてしまうから。

ほんのひとりで十分だから。



でも、そんな。"僕"のかわりにほんのひとりとしたものも。
もうじき僕の手からきっと失われる。

僕も、どうなるかわからないな。

身体ももう、こんなに赤黒くどろどろに成れ果ててきている。


幸せではいたいけど 別に幸せになる必要ってないと思う。
不幸だって言われるような様でも 僕は自分が不幸だとは思わないし
ただ、憎しみと望みがあるだけだ。憎しみを望むだけだ。
それを選ぶだけで、それこそが僕の幸福で唯一の悦びだ……。

ほんのひとりは失うかもしれないけれど、
それだけはどこまでも、持っていられるだろう、持っていられる

6年以上持ち続けてきたこれを失ったものを、僕はもう僕とは認めない。
報いでも罰でもなんだろうと。これを持っていられるならば振りかかろうといい。

これを失うこと自体がそれとして振りかかるのであれば。
僕をかたるニセモノが生まれる前に僕は僕を終わらせるつもりだ。


僕はまだ、生きていられる。