《History:Mana》
私の体からはあらゆる毒虫が出てくるのです。 そういう、異能。
10代の若い頃は制御が効かなくて、まわりからひどく白い目で見られ
避けられいじめ紛いのことにもあいました。
当然です。 百足、蜂、毒蜘蛛、蠍。
どれもこれも出てきては人に被害を及ぼすものなのですから。
大人になってようやく。私は開頭し脳に埋め込む形の異能制御装置のことを知り、
施術をしてもらうことができました。
この技術は確立されていないもので、リスクも高いと言われましたが
外付けの異能抑制、制御装置より体内に埋め込む分効果が高いとも言われていたんですよ
埋め込んでしまえばあとは不自由なく常につけ外しも考慮しなくていい。
幸いなことに私の異能は勝手に作動することがなくなりました。
だから私の子供が異能で人に迷惑をかけて、白い目で見られるなら。
この手術を絶対に受けさせるとちゃんと決めていました。
異能のことを隠して、私は愛する人と結ばれることができました。幸せなことです。
なのに、二人の子宝を遺してすぐ、愛する人は死んでしまった。
死因は不明のまま。私の異能が暴発して毒虫が出て殺したなら、毒の反応なりがあるはずだから違うと思っても
私は彼を殺したのではないかという不安に支配され続けました。
ただ、不幸中の幸い。私の異能には副作用もあり……それが毒への耐性。
この体で生成されるあらゆる毒虫の毒への耐性を私の体は持っている。
それを生かした仕事はなんでもやりましたしやることができました。
今の主な仕事は害虫駆除。刺されても平気ですから無理が効く。
荊街のなかではそこそこにお仕事をもらっているんですよ。
……ただ、私を今苦しめているのは娘の御日です。
女の子らしくしない、乱暴ばかりするし、私の、親の思いをわかってくれない……
私はこの子たちにしてやれることは全てしているつもりです。
悪目立ちしないように、白い目で見られないように。
この子たちにそんなことで辛いことがないように、育てようとした。
なのに、御日は私を殴って時にはそれで無理やり言うことをきかせようとするのです。
ドメスティック・バイオレンス。
親が子にされるなんて…………けど、怖くてこの子に抵抗することができないのです。
私はもう、御日への親らしい気持ちはなかった。
もう、あの子が恐ろしくて。居なくなれば安心できる。
あの子は私がどんなに尽くしても返してくるものと言えば仇だけ。
あげられるものならなんだってあげたのに。それなのに。
もう、私は解放されたかった。
御月……もう片方の子のこと。 それももう考えたくなんてない。
私の体からはあらゆる毒虫が出てくるのです。 そういう、異能。
10代の若い頃は制御が効かなくて、まわりからひどく白い目で見られ
避けられいじめ紛いのことにもあいました。
当然です。 百足、蜂、毒蜘蛛、蠍。
どれもこれも出てきては人に被害を及ぼすものなのですから。
大人になってようやく。私は開頭し脳に埋め込む形の異能制御装置のことを知り、
施術をしてもらうことができました。
この技術は確立されていないもので、リスクも高いと言われましたが
外付けの異能抑制、制御装置より体内に埋め込む分効果が高いとも言われていたんですよ
埋め込んでしまえばあとは不自由なく常につけ外しも考慮しなくていい。
幸いなことに私の異能は勝手に作動することがなくなりました。
だから私の子供が異能で人に迷惑をかけて、白い目で見られるなら。
この手術を絶対に受けさせるとちゃんと決めていました。
異能のことを隠して、私は愛する人と結ばれることができました。幸せなことです。
なのに、二人の子宝を遺してすぐ、愛する人は死んでしまった。
死因は不明のまま。私の異能が暴発して毒虫が出て殺したなら、毒の反応なりがあるはずだから違うと思っても
私は彼を殺したのではないかという不安に支配され続けました。
ただ、不幸中の幸い。私の異能には副作用もあり……それが毒への耐性。
この体で生成されるあらゆる毒虫の毒への耐性を私の体は持っている。
それを生かした仕事はなんでもやりましたしやることができました。
今の主な仕事は害虫駆除。刺されても平気ですから無理が効く。
荊街のなかではそこそこにお仕事をもらっているんですよ。
……ただ、私を今苦しめているのは娘の御日です。
女の子らしくしない、乱暴ばかりするし、私の、親の思いをわかってくれない……
私はこの子たちにしてやれることは全てしているつもりです。
悪目立ちしないように、白い目で見られないように。
この子たちにそんなことで辛いことがないように、育てようとした。
なのに、御日は私を殴って時にはそれで無理やり言うことをきかせようとするのです。
ドメスティック・バイオレンス。
親が子にされるなんて…………けど、怖くてこの子に抵抗することができないのです。
私はもう、御日への親らしい気持ちはなかった。
もう、あの子が恐ろしくて。居なくなれば安心できる。
あの子は私がどんなに尽くしても返してくるものと言えば仇だけ。
あげられるものならなんだってあげたのに。それなのに。
もう、私は解放されたかった。
御月……もう片方の子のこと。 それももう考えたくなんてない。