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IbaraHistory
[Side:Sun][Side:Moon]
《Side:Sun》
御月はかつて、小学に入ってそう経たないうちは
酷く人懐こくて、誰彼構わず距離感の近い……そんな振る舞いをしていた。友達も欲していた。
御月は絵を描いたり、話を作ったり、歌を歌ったり、楽器を弾いたり。
色々なことをいつもしているような……そんな。 そんな。

それが周りの奴には 悪いように 映ったらしい。

非現実的なことばかりを考え、周りに合わせず自分のやりたいように好き勝手やってて、ふわふわしていて気持ち悪い。

御月の夢見がちな言葉は周りを困惑させうるものだったから。

例えば傘をもって飛び降りたら空をふわふわと飛べるかといえば
そうした魔術や異能の力なくしては不可能だ。 箒にのって飛べるかというのもそう。
ポケットにビスケットを入れて叩いても粉々になるだけ。

そんな例えは、彼らにとって可愛い方だったのだろう。


周りに嘘つきだとか馴れ馴れしくて気持ち悪いだとか
そんなふうに色々と言われるうちに御月は口数が少なくなり、
人と距離を取るようになり、現実的なような違うような小難しいことを言うことが増えた。

御月を追い詰め傷つけた、そいつらからすれば御月が悪くて当然の自己防衛の淘汰行為だったのだろう
そうしたものは、タチの悪い憂さ晴らしだと呼称される、認識されるきらいもあるが

生物は本能的に、理性の及ばぬ無意識下で。
『淘汰していい存在を探している』 と認識している。

それは理性で抑制できるものではない……自分達はそう結論づけた。

どんな聖人と云われるような存在でさえも。
例えば自己犠牲や、希死念慮、衝動的な自傷もそれに分類できるから。
自己犠牲という意志だって、その理性というものだって、本能に起因するもののはずだから。

種族として、種の繁栄のため、それぞれの個体の基準で種の繁栄の、自らの阻害になるものを淘汰するだけ

他人に向くか自分に向くかは何一つ関係ない。 やっていることは皆同じだ。


──僕は周りのために自分を変える気はない、
  そんなのそいつらの我儘に従うだけ。それに僕は異常者なんかじゃないもの



かつて御月がいったその言葉。 ではなぜ御月にはそのような変化がでたのか。
矛盾してはいないか、と尋ねたことがある。

かえってきた答えはこう。


──僕が何か変わってしまってるようにみえても、あいつらは関係ないよ。
  それにもし変わってるとしても代謝の範囲。 心臓や脳をそげかえたわけじゃない。
  最も、それらだって代謝されれば別物になるって話だろうけどさ……

  あいつらとか、多くの人と距離を取るようになったのは関わる価値がないって思ったから
  だって僕のことを異常者扱いしたり、腫れ物扱いしたりするような奴なんだし
  僕の振る舞いが原因と奴らは言うけど、そいつらがそうであることに変わりはないんだよ


──ねえ、知ってる? 一説によると
  色んな人の顔を組み合わせて、平均化した無個性な顔を人は美しく感じるらしいんだって
  ……僕は僕の顔のままで、何よりも美しいって思って、言ってくれて、それを覆さない人がいいの。
  僕の顔を無個性に平均化しようとするような、変えようとするような奴はいらないの。
  僕に、嫌なら変われだなんて言うやつはいらないの。 僕にとっては両立することなんだよ……



その後、御月の顔は酷い傷痕の残る怪我を負わされるという形で変えられてしまった。
自分と同じ顔。 双子の、一つだった鏡写しの顔。 鏡には消えない大きなヒビが入れられてしまった。
それが当然のことだ? 被害者面するなだって?? ふざけるな。

自分達も、自分達が"生きるために"奴らを淘汰する。 それだけ。
絶対に、淘汰なんて、されてやらない。 淘汰しつくしてやる。

正義道徳倫理善、全部関係ない。 どんな理由があろうと自分達の害になる他は、なりうる他は全て敵
お前らが悪いと言われても、そんな言葉は切り捨てる。 自分達が気に入らないから、殴る。

故に正義道徳倫理善の元に動くという奴が嫌いだ。

所詮突き詰めれば全部同じところから来ているのに"それは別だ"とのたまうんだから。
自分達を嫌うなら嫌えばいいし殴りたいなら殴ればいい。 社会的な正しさなんて要らないし知らない。
もっとも自分達はそれを許さないしそれに抗うし、そうする奴は容赦なく淘汰する。

どいつもこいつも、敵だ。
自分達が他を淘汰する理由なんてそれで十分だ。 御月がされたように。



……中学に進学するにあたって。
自分は小学校のときとうってかわって、表向きの仮面を作ることにした。

そのときのロールモデルに組み込んだものは少年漫画だとかゲームのキャラや
チャラチャラしたバンドマンやらそういったイメージのものをギタリスト、というイメージから組み上げていった。

最も自分はそういうフリで、適当に振る舞うだけで今も自分に踏み込まれるのは嫌いだ。
仮面のほうを見せて、それに基づいて表向きの軽い付き合い。 そういうものをしている程度
そして、矜持やモットー。義理、そうしたものをある程度自分のなかで決めておく。
その範囲だけを果たしていればそれっぽく見える。
それにそういう振舞いをしていれば、小学生のときのような面倒はなくなる
孤立していて可哀相 なんて勝手な思い込みと判断。
それが自分にとってはすごく苛立たしかった。
それで自分を素敵だとか可愛いだとか美人だとか
ほめそやす奴が気持ち悪くて大嫌いだった。 気持ち悪い、気持ち悪い。

自分のことを"友達"というものは数人いる。
それらに、そういわれたから一応こちらも口先だけは"友達"と返すが
本当のことを言えば"友達"だなんて思ってない。 向こうがそういうから、そういうことにしているだけ。

ただ、それで都合が悪くなるなら縁はどうにか切っておきたいものだが。

嫌な事ははっきり言ってしまう方がきっといい
もめ事を起こしてでも他人ににらまれてでも

……嫌な事をはっきり言ったってやめてなんてくれないから言ったって無駄だ
"そういうこと"にして流すしかない
そういうフリで、適当に振る舞うしかない。

死にたくない



《Side:Hazama》

20:00~21:00 久々のアンジニティ陣営側の者との決闘後。 黒須御日は、ぐたりと座り込んだ。



黒須御日
「痛っ……」





ぽたり、と顔から血のような赤黒い……どろりとしたものが滴り落ちた



ぼたぼた……………………だらだら、とそれは止まる様子を見せないどころか余計に増えていくばかりだ









黒須御■
「あ……………御……探さなきゃ」





ふらふら、よたよたと。 その姿は歩き始めた。
ぼたぼた、と赤黒い液体を頭からとめどなくこぼし続けながら。






20:00時時点、黒須御日 影響力

1106th 1174 @影響度 G








ナレハテ化
ハザマ内での影響力に伴って起きる姿等の変化と解説されたもの、その現象
厳密には正式名称とはいいがたいだろうが
"ここではそのように一連の近い現象をそうまとめて表記する"



























"貴方は何処に居たいですか"

『Cross+Rose』が問いかけます。 回答は常に変更可能です


分からない/定まらない
[■■■■■■▼]

『大切なものを失ってしまった気がする』
『もう、忘れてしまった』