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IbaraHistory
[Side:Sun][Side:Moon]
《Side:Moon》
●月●日

──僕ってすごく、頭が悪いんだよね そもそも自分は片割れ以外の人が皆嫌いだ
どうでもいい、というくらいの位置に置くのが理想なのだろう

じゃあなんで、高校に入った? じゃあなんで、天藍祭であのように?

じゃあなんで? 矛盾しているよね?

『本当はお前人と仲良くしたいんだろ』『そんな風に振る舞って気にかけてほしいかまってちゃんじゃん』
そういう風に言う奴が嫌い 気にかけてくる奴も嫌い。 僕は僕が気にかけたいと思ったものだけを見ていたい

僕は かつて賢く生きたい と言った が どう考えても 少なくとも 今の僕の振舞いは酷く逸脱している
今の僕はそう、というか元からそうだろうが気の向くままに
考えなしで向かってしまう程なのだ。 愚か である以外のなんだろう。

賢く生きる▽
・うまく立ち回り、自分の立ち位置をしっかり確保すること また、そうして自分の思うように事を運ぶこと

これを果たすには、気の向くままに動いては事を仕損じるに決まっている。
そしてある程度、もっと"自分を殺したように見せる"ことができないといけない
多分、本当に賢い生き方であれば"殺さず、演じ、演じ分ける"ことでやりくりしているのだろう

…………もう疲れた ただ僕は今幸せだ もうそれでいいや。 嫌いな奴らは嫌い続けていられているし。

常盤色の彼は僕を動かそうとしてる側、変えようとしている側に思える、
だが彼は唯一の"予想外"だから興味がある

あのカウンセラーも多少はそう、だけど自分が嫌だからやろうとしないという
動かそうとしてくる奴は逆に動かさないととなるわけで 結局いたちごっこだが
僕は人を好きになりたくないしなられたくないし、相手もそれは近いように感じたし
僕が動かされたくない方には今のところは動かされてないとは思うし
まあそれを感じさせないように向こうが上手いってのがそうなんだろうけど
別にどうでもいいって思っていられる範囲だし
どうにも自分と片割れをあの人自身の弟と妹と重ねているように感じるところはかなりするが
それで迷惑を被るわけではないしそこもどうでもいい

夜空色の彼は皆を動かしたり変えたりはしない方がいいと思うだろう側に思える
──彼が言った言葉 
「皆が自分の大切なものを握ったままでいられるなら、それがいい」
彼は自分のことを腫れ物扱いしないでくれた というのは確かに好印象を持つ"言い訳"としては合理的だが
それは僕もその"皆"のうちの一人に含んでいるだけのことで
その"他の皆"や、その"大切なもの"を僕が損なわんとすらばきっと彼は"他の皆"を選ぶ

……ああ、でももうそんなことは今は見なくていいや
最初はなんとなく適当に思い付きで、気の迷いですらあるくらいにあの提案をした
そこから天藍祭のステージイベントを見に行こう だなんて僕の方からまた提案をしたりして

間違いなく、その時僕は幸せだった。 そう感じていた。 それはもう過去だ。
思い起こして、幸せだったと感じてもその時は死んでしまった。
故人を思い起こすような、そんなもの。すごくすごく幸せだった。
で、誕生日を教えてもらって 夜空のような色の髪だから 星降海で見つけた石もちょうど、夜空のような色だから
ループタイにしてあげたらどうだろうって 似合いそうだなって もし喜んでくれたらそれは嬉しい! 一緒に遊びに行ったりとかももっとしたいなカラオケとかどうかな! また歌ききたいし多分耳も平気大きな図書館とかに行く? 学校の図書室でもいいかな 本屋とかでもいいかな!食堂で一緒にご飯たべたり、屋上でお弁当食べてもいいな、うんすっごくいい!そういえばもこもこマウンテン闘乱祭で知ったのにまだ行ってないなタピオカ飲みに行く? クレープ食べに行く?うーん、どっちかっていうとラーメン食べる方が好きそうな気がする?食べ物とか何が好きなんだろう?あ、でもそういうと「俺のことは良いんだよ」とかいうかもボク的には好き嫌いとか特にないっていうか甘いものは好きだけどやっぱり■■■の好きなもの一緒に食べたいほうが大きいな~!どういうものが好きなのかとか興味あるのかとかあったら知りたい!ちょっとデリカシーないけど好きな人とか気になる人いるのかな? 血液型何型だろ、好きな色何色だろ? お花見とかも一緒にいけたらいいな~☆他にはほかにはほかには~~~何が何があるかな何が 映画とか?ビデオとかおうちで見るのもいいな~! あ、向こうのおうちにも遊びに行きたい河原で水切りしたりとか 海とか行ったり するなら水着どうしよ初詣とか屋台とかでてるとことかあるかな~おみくじ!おみくじとか引いたり絵馬書いたりとか

ボクはやっぱ おかしいね どっか     まあボクは それでもいいや 今多分幸せだし
…………19:■■ 服用



●月■日
好きな食べ物は■■■■だって! 好きな■は■■■■だって!
ああ、でも無茶しないかどうか…… 心配ってしてもどうにもならないのに。
なにもできないくせに、してやれないくせに、何のためにもならないのに
心配だなんだとかいって人の行動を、人を縛ろうとするような奴は僕は嫌いだから。

自分がされたら嫌な事は人にしてはいけない。

この言葉には僕は首を横に振るけれども、それはそれとして
僕は親しいわけでもないから動かそうとはしない、変えようとはしないという考えが嫌いだから。

──それはつまり親しくなったら動かそうとするってこと、変えようとするってことでしょう?
僕は親しいからこそ好きだからこそ変えるべきではないと思うから。
好きであることを理由にして、いやそれが理由でなくても。
相手の意思を度外視して【救う】、いや【救った気になる】それほどの悪意はこの世には存在しない。
【救う】ことで変えられたものはもう僕ではないから。
ならば僕は丘の上で磔刑に処された方が、火刑に処された方がずっといい。
処刑人はあの人だ。 人に守られ好かれているあの人だ。 ……あの人ってどの人だっけ。
どうして人に守られ好かれる人って存在しているの? どうして人に害され嫌われる人って存在しているの?
その人が周りにとって良い・善い人。都合のいい人、善たる、【善意】に反しない人だから?
その人が周りにとって悪い・悪しき人。都合の悪い人、悪たる、【善意】に反する人だから?

……ああそしてともかくすべての人が僕に石を投げ、僕の死で歓喜に沸く。若しくは何も思わない。
憐みなんてものはあってほしくない。殺されるならばすべてに嫌われて殺されたい。
そして僕は十字架の上でそれを嘲笑うんだ。
奴らを憎んで死ぬんだ。殺されるなら、そんな最期がいい。
僕の自業自得、因果応報、奴らはそう思う、そういう。だが刑を下すのは奴らに他ならない
御日はどうなるのだろう。 御日もろくな目には合わないだろう。
僕を助けようとして御日も同罪に処されるのかもしれない
僕のせいで御日もそうなるのだと人はきっと言うだろう
お前達がそうしたから、そうするから御日がそうなるんだ と僕は返す

■■■は…………巻き込みたくない。 そもそも?
……………………僕はこれを望んではいけなかった。 得ぬままでいるべきだった
ハンプティ・ダンプティは元に戻らない
     覆水盆に返らず      、もう望んで得てしまったものを捨てることは叶わないのだ
捨てたいと思うことすらできない、否……思わない……とてもではないが思えない、思いたくない

……多くの者は持っていられない。相反するものは持っていられない。得た分だけ捨てねばならない。
僕が得たものは、得たいと思ってしまったものは僕の今まで大切にしてきたものを
それはそれは多く捨てなくてはならなくなるだろう。
人からは捨てるべきだと言われるだろうそれらを。
そのときも やはり来てしまうのかもしれない。 老いて寿命を迎えるように。
──本当は全部、持っていたいよ。

二兎を追うものは一兎も得ず

常盤色の彼が言っていた。 そして彼は語っていた。
疑って追い出したことが自らの愚かな過ちだと。
後から事情を知って後悔した……とかそういう話としても。
これについては当事者当人がそう思えばそうだが、僕はそうとは思わないから。
疑うことも、人を追い出すことも何も愚かな過ちでもなんでもない。

一石二鳥。  そのような言葉だってある。
僕は欲張りだから。力が欲しい、知識が欲しい、知恵が欲しい、永遠が欲しい、その為に。

けれどもきっと、それを得るのもまた何かを捨てなくてはならないのだろう。
持っていられる量には限りがあるから。船には渡銭が必要だから。悪魔は魂を、心臓を欲するから。

僕の大切なものはこの片手に収まる程度、余る程度で良い。
あのスクールカウンセラーの言葉の受け売り。だけど本当にそれでいい。
片手に入れれば入れるほど、入れたもの一つへ注げるものは限られていく。
どちらか、いずれかを選ばねばならない時だって来る……

僕にはひとつだけで、ひとりだけで 僕達だけでよかったのにね……
ごめんね御日。君を捨てなくてはいけない時が来るかもしれない
そして僕を捨てなくてはいけない時が来るかもしれない

望まずしてそうなることを僕はずっと拒んできた
望まなくてはいけないようにされること、望まされることも拒んできた

──そもそも、僕は何をしたいのか何を望むのか何が好きなのか結局何もわからなくなる
ただ一つだけ、【死にたくない】という結論にたどり着くだけ
何もこの血を巡らせる心臓が動いているだけではだめで、僕を僕たらしめるものを失いたくない
それを失って、それを大切にしていた頃の僕を嘲って、バカにして痛がって……
そんな存在になるのなら、それに成り果てた僕だったものを絶対に許さない。

また同じようなことを書いてる。言葉にして出して再認識してしまっているとか
そのように言われるとしても大切な物なんだからほっといて
ほっといてくれないんだよな、しってる、だから嫌い

……18:■■ のんだ



《Side:Sun》
想来祭、天藍祭でのゲリラライブ。
どれもやり切った。 自分はやり切った。

……もう一度くらい部のバンドでライブをしておきたい。
今年もクリスマスパーティを開きたい。 そんな準備をしている最中。

……ほんと、なんでこんなことになるのかな
……まあいい、責任は俺が取る。 ……何が何と言おうと俺はリーダーで、部長だから。
何かあったときに俺が責任を取らないのは、負わないのは違う。



……本当言うと      いや、やめておこう。
俺は天才で世界的なプロになるんだから。